『進路の資料』の巻頭言より

 あと少しで学校が再開される。それまで自分のできる精一杯を実行して学校に戻ってこよう。4月に『進路の資料』の巻頭言を執筆したが、配付までまだ時間があるというので、一足先に皆さんにお届けする。時間を見て読んでいただきたい。

「き・き・たい」で夢の実現を

 「栄光に近道なし」とか「栄光は山の向こうにある」とか言われる。優勝でも合格でも、難易度の差はあれ、決して楽に手に入るものではないことはよくわかる。「実はここでうまい話がある!」と言うことができれば「さすが校長!」と言われるのだろうが、残念ながらそんな方法は知らない。知らないというよりは、無いといった方がいいのかもしれない。ではどうするのか?
 試合でも受験でも、いざという時に役に立つのが、「絶対できる」技術と「絶対わかっている」知識である。目が見えなくてもピアノを弾くことのできる人がいる。素晴らしいと思う。ここまでのレベルでなくても、「これなら大丈夫」と思えるもの(=知識や技術)をできるだけ多く身に付けた人が、栄光を手にすることができるのだと思っている。

 タイトルに掲げた「き・き・たい」に漢字を当てると「基・気・体」であり、夢を実現させるために必要な3つの要素だと考えている。
 最初の「基」。何をやるにも初めは基本や基礎である。基本技術や基礎学力、そして基本的生活習慣である。これを徹底して身に付けることが大切である。いざという時、これらのことを多く身に付けておけば、大いに役立つ。
 2つめの「気」。「その気になる!」の「気」である。絶対に欲しい栄光を手にしようと思えば(=その気になれば)、行動が変わってくる。下半身を鍛えようと思えば歩き方が変わってくるだろうし(かかとをつかないで歩くとか)、何かを暗記しようと思えば、風呂にいる様子が変わってくる。「気持ちが変われば行動が変わる。・・・」と言った人がいるらしいが、大いに賛同したい。
 最後の「体」であるが、これは「体力」の「体」である。最後は体力がものをいう。どんなに戦う気持ちがあっても、「腹が減っては戦はできない」ものである。バランスのとれた食事を、規則正しい生活の中で摂取することが大切である。

 始業式と入学式で話をした。キーワードは「凡事徹底」である。誰にでもできることを、誰にも負けないくらい頑張ることだと話した。頑張ってほしいと思う。君たちの栄光は、たとえ遠回りしても、たとえ山を越えていかなければならないとしても、絶対に手に入れる価値のあるものだと信じている。健闘を祈る。

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