令和6年度SSHマレーシア海外研修

 昨今、海洋ごみ問題が顕在化しており、マレーシアも主要な排出源の一つとされています。マレーシア政府も使い捨てプラスチックの削減に向けた取り組みを実施してはいますが、プラスチックごみ削減に向けた国民の意識醸成には至らない現状があり、国民意識や社会インフラの面で先進国・日本が果たすべき責務は大きいと考えます。そこで本研修は、上記の現状を科学系人材の育成の題材として捉えなおし、本校生徒による環境教育プログラムの構築と実践及び情報発信を行おうとするものです。以下、昨年度に引き続き2年目となったマレーシア海外研修の様子をご報告します。

2024年7月29日(月)【1日目】成田着

 本日、秋田空港からマレーシア海外研修に出発しました。ちょっとしたトラブルもありながら、なんとか無事、16時半ころ成田のホテルに到着しました。明日は7時頃チェックアウトし、クアラルンプール経由でコタ・キナバルへと向かいます。

2024年7月30日(火)【2日目】コタ・キナバル着

 10時半ころ成田空港を出発しました。17時ころクアラルンプールを経由し、コタキナバルのホテルに到着したのが22時でした。生徒たちはこれから明日のプレゼンの準備をします。明日はコタキナバル市役所や、水上集落を訪問する予定です。

2024年7月31日(水)【3日目】コタ・キナバルのゴミ問題について視察しました。

 本日は、まず午前中にコタキナバル市役所とゴミ集積所を訪問しました。昨年度訪問後にまとめた資料のプレゼンと、現在のゴミ問題についての状況について視察しました。また、午後からはガヤ島地域の水上集落を視察し、集落でのプラスチックゴミの現況について視察しました。ゴミ集積所で生計を立てる人や、水上集落で暮らす人々を目の当たりにし、貧困について考えさせられる1日となりました。

2024年8月1日(木)【4日目】学校での環境教育実践およびサバ州政府環境局訪問

 本日は、午前にSMK Datuk Peter Mojuntin校を訪問しました。現在のゴミ問題についての状況説明と、ボードゲームを教材とした環境教育を実践しました。現地の子どもたちから盛大な歓迎を受け、ボードゲームにも熱心に取り組んでいただき、改善点についても意見をいただくことができました。午後からはサバ州政府環境局を訪問しました。局員の方々には、昨年度3月に中央高校に訪問していただいたため、約4ヶ月ぶりの再会でした。環境局では、本研修の目的の共有の他、午前に実施したボードゲームの教材等について意見を頂くことができました。また、環境局からも盛大な歓迎を受けました。昼食会では、豪華な食事の他、サゴムシ幼虫のピザや寿司を提供され、現地の食事について衝撃を受けた1日となりました。

2024年8月2日(金)【5日目】学校での環境教育実践

 本日は、コタ・キナバルの2つの高校で環境教育を実施しました。午前はSMK Taman Tun Fuad校、午後からはSMKA Tun Ahmadshah Kota Kinabalu校を訪問しました。両校から盛大に歓迎していただき、イスラムの文化も体験することができました。先日実施した環境教育の反省から、更にスライドの見直しや方法について改良を重ねることで、マレーシアの生徒たちが熱心に取り組むことのできる環境教育を実施することができました。明日、明後日で、生徒たちに書いてもらったアンケートを分析し、今後の環境教育に向けて調整する予定です。

2024年8月3日(土)【6日目】Tanjung Aru Marine Ecosystem Center訪問

 本日は、コタ・キナバルのTanjung Aru Marine Ecosystem Centerを訪問し海洋生態系と環境問題にかかわる研修を実施しました。センターでは、リサイクルされたペットボトルやビンからアート作品を制作する過程の説明を受け、実際に制作現場を見学しました。また、ボルネオ島の動物や昆虫の説明を受け、生徒たちも熱心に聞き、ボルネオ島の生態系について知識を深めることができました。最後に、アルミ製のコーヒー容器のゴミから、昆虫アートの制作を体験できました。

2024年8月4日(日)【7日目】活動の取りまとめ・練習

 本日は、宿泊施設で、各校で実施したアンケートのデータ集計など、今まで実施した活動の取りまとめを行いました。また、明日からの活動に備え、改善点を確認しました。

2024年8月5日(月)【8日目】学校での環境教育実践

 本日は、コタ・キナバルの2つの高校で環境教育を実施しました。午前は1日に訪問したSMK Datuk Peter Mojuntin校に再訪し、 午後からはSMK Tabobon 校を訪問しました。SMK Datuk Peter Mojuntin校では、前回のボードゲーム学習を体験した現地の生徒がファシリテーターとなり、未体験の生徒と非常に効果的に学習することができました。当日はマレーシアの独立記念日ということで、現地の生徒たちが自分の部族の正装で登校しており、昼食会では、中央高校の生徒が部族の衣装を着て写真撮影するなど、コミュニケーションを取りながら交流することができました。午後から訪問したSMK Tabobon校では、高校1年生と中学1年生の生徒が参加し、どちらの生徒も効果的に学習を進めることができました。様々な宗教や民族の生徒が同じ教室で学習しており、民族の多様性について考えることのできた1日でした。

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